ベトナム語の発音は難しい! だけじゃない

ベトナム語を使ってベトナム人と話してみると、すぐにベトナム語の発音が難しいことに気づきます。なぜなら、自分が話すベトナム語が相手に通じないからです。簡単な単語一つでさえ通じません。

それで、ベトナム語の発音は難しい!となります。そして、それを聞くベトナム人は、特にベトナム語を教える先生たちは、「ベトナム語の発音は難しいですよ!」と外国人の学生に伝えます。(Youtubeでベトナム語を勉強できるビデオをアップしている日本語流暢なベトナム人の先生たちもみんな口々に、そして少しうれしそうに?そう言います)

こうして、生徒は「ベトナム語の発音は難しい!」という意識がますます強くなり、そしてほとんどの場合、それが苦手意識となります。

より正確には、ベトナム語を話すときに、発音は極めて重要! なのに、発音がとても難しい!

確かに、ベトナム語の発音は日本人にとって難しいです。でも、ベトナム語の発音は難しい!と聞くと、わたしは少しだけ違和感を感じます。というのは、そのフレーズだけだと、とても大切な考えが抜け落ちかねないからです。

その大切な考えというのは、「ベトナム語を話すときに、発音は極めて重要!」というものです。重要なのに難しい。ここがポイントだと思っています。

というのは、ベトナム語を学習している人の中には、ベトナム語の発音があまりに難しいため、発音の練習を手を抜いたり、少しぐらい間違っても通じるだろうと考えてあまり真面目に取り組まなかったりする人がいるからです。

そうした方たちは、もちろんベトナム語の発音が難しいことを知っているのですが、それがどれだけ重要なのかを理解していないのかもしれません。特に、日本に住んでいるベトナム人との仕事、交流のためにベトナム語を学ぼうとする場合、困れば日本語に切り替えるということが可能なので(特に相手のベトナム人の日本語が自分のベトナム語より上手な場合)、発音が難しい → じゃあ、いいや~ となってしまうことがあるのです。

たとえば、ベトナム語にはaが三つあります。a、â、ăです。この使い分けは非常に大切で、間違えても通じる時もありますが、まったく通じない時も少なくありません。でも、発音は難しいことはわかっていても、重要だということを認識していないと、「まあみんなaだから、何とかなるだろう~」という発想になり、どのaも同じにしてしまいます。結果、まったく通じません。

かくいう私がかつてはそういう考えでしたが、ベトナムで仕事をする機会が増え、日本語はおろか、外国語さえほとんど話すことが無いベトナム人と話す機会が増えるにつれ、発音の重要さを身に染みて知るようになりました。

ベトナム人からベトナム語を教わっている場合、あるいは、話しているベトナム人がとても親切な方で、こちらの発音を直してくれようとする場合、間違った発音は大変な悲劇を招くことがあります。そう、できるまで、それが100回でも200回でも(さすがに大げさですが)言い直させられるのです。特に、相手がこちらの発音が間違っていることだけを認識していて、何が間違っているか、どのようにすれば直せるかを教えてくれない場合、千本ノックのような厳しい状況に遭遇する可能性が大です。

恐怖の言い直し千本ノック

そうすると、ますます「ベトナム語の発音は難しい」ということが強調されてしまうのですが、その前段にある「ベトナム語の発音は極めて重要なのに」という大切な考えが抜け落ちてしまい、結果、ますます手を抜いてしまう、そして通じない時は「ベトナム語の発音は難しいなあ」と苦笑いしてごまかすことになりかねません。

ベトナム語を勉強する時には、発音が極めて重要で、しかも発音が難しい、という二つを忘れないことが大事です。